こんにちは! 新卒1年目のエンジニア、shimatsuです。
今回は、分析ツールとしても有名なGA4(Googleアナリティクス 4)の探索機能について、特につまずきがちな「セグメント」と「フィルタ」の使い分けを、サンプルデータを活用しながら勉強してみました!
GA4の探索機能をマスターしたいという方は、ぜひ一緒に手を動かしながら学んでみましょう!
1.セグメントとフィルタの機能概要
まずは、それぞれの機能の概要から理解していきます。
セグメントとは、特定の属性や条件をグループ分けする機能です。
たとえば、CV(コンバージョン)に至ったユーザーがどのページを見ていたのか調べたい場合、特定の地域のユーザーの行動を調べたい場合などに使用します。
セグメントの中にも「カスタムセグメント」といって、自身でカスタムできるものが3種類あります。
「ユーザーセグメント」「セッションセグメント」「イベントセグメント」です。 順に説明していきます。
ユーザーセグメントとは、ユーザーの属性や行動に基づいてグループ分け、複数のセッションをまとめたものです。
たとえば、年齢、地域、CVをしたという条件に当てはまるユーザーを調べたい場合などに使用します。
セッションセグメントとは、一定の時間内にユーザーがサイトにアクセスし操作を行った一連のアクションの集まりで、GA4でセッションスタートイベントが開始されてから、離脱するまでになります。
たとえば、ページCで商品を購入したユーザーのセッション内でのデータを調べたい場合などに使用します。
イベントセグメントとは、イベント単位の集まりです。
たとえば、ページCで商品を購入したユーザーそのイベント時のデータを調べたい場合などに使用します。 図式化するとこのようなイメージです。
2.セグメントとフィルタの違い
ここからは、セグメントとフィルタの違いについて理解を深めていきます。
ここでの「セグメント」と「フィルタ」は、探索モード内の枠で囲んだ箇所を指しています。
公式ページによると、セグメントとフィルタには、以下のような違いがあると言われています。
セグメント:条件付きのデータセットを表示するためのデータ探索に使用され、現在のデータ探索に適用される
フィルタ:設定したユーザーのグループ、セッションのグループ、またはイベントのグループで、現在のデータ探索の中であればどのタブでも使用できる
(参照元:https://support.google.com/analytics/answer/9328518?hl=ja&sjid=11465435555049086948-AP)
一旦概要は理解できましたが、まだ活用イメージが湧きません…
ここで、Googleが提供しているサンプルデータを使って、実際に手を動かしてみましょう!
3.活用イメージ
今回使用するサンプルデータは、Google ブランドの商品を販売する e コマースサイト、Google Merchandise Storeのウェブデータです。
URLから、デモアカウントへのアクセスとサイトへの遷移が可能です。
今回テーマを「子ども用のアパレルページの閲覧に関するデータ収集」として、セグメントとフィルタを実際に使ってみたいと思います。
STEP1.セグメントの設定
まずは、セグメント3種類を設定していきます。
3種類とも「子ども用のアパレルページ(=/shop/apparel/kids)」「ページの閲覧(=page_view)」という同じ条件を指定してみます。
STEP2.セグメントの比較
STEP1で設定したセグメントを実際に使用してみます。
行には「ページパスとスクリーンクラス」、値にはイベント数を入れてみます。
すると、3種類のセグメントは下記のようなデータになりました。 同じ条件をかけましたが、このように同じ集計結果にならないのはなぜでしょうか?
これは、先ほど述べたカスタムセグメントのスコープの違いに原因があります。
たとえば、イベントセグメントでは「子ども用のアパレルページ(=/shop/apparel/kids)でのページの閲覧(=page_view)」のイベント数のみが表示されています。
一方で、セッションセグメントでは、同じセッション内でスクロールなど他のイベントをした場合、他のページの閲覧をした場合にもイベント数が集計されてしまうので、イベントセグメントの集計数より大幅に数が増えています。
そして、ユーザーセグメントでは、複数のセッションをまとめているので、さらに集計数が増えているのです。
STEP3.フィルタの設定
この場合も集計数が異なるようです。
これは、下記のような要因が考えられます。
・適用されるタイミングの違い
セグメントはデータが収集された後に適用されますが、フィルタはデータ収集時に適用されるため、フィルタが適用される前に収集されたデータがセグメントで評価されることがあります。
・データのスコープ
セグメントはユーザーやセッション、イベントのスコープに基づいていますが、フィルタは特定のビューやレポートに対して適用されるため、異なるスコープで集計されることがあります。
・集計方法の違い
セグメントはデータを分けて集計するため、特定の条件を満たす部分集合のみを見ますが、フィルタはデータ全体に対して適用されるため、結果として異なる数値になることがあります。
このように、機能の概要を理解した上で実際に手を動かしてみると、違いが見えてきたのではないでしょうか?
GA4で探索を行いたい場合は、
絞り込みたい条件を羅列してみて
・セグメントかフィルタかの判断
・どのセグメントかの判断
が大切になります!
ぜひみなさんも活用してみてください!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!!